スプラウトの育て方
スプラウトを種から上手に育てる方法をご紹介します。
スプラウトを育てよう
野菜の新芽のことをスプラウトといい、抗酸化作用が高いので老化や生活習慣病の予防への効果が注目されています。
スプラウトは室内で水だけで簡単に育てられます。梅雨から夏は水が腐りやすいので冬から春に育てるのがおすすめです。
今回は容器に「ココット型(丸くて小さい耐熱性の陶器)」を使った方法と、スプラウト専用容器を使った方法をご紹介します。スプラウトは種類が豊富なので、味はもちろんのこと、種の形、葉や茎の色の違いを楽しめます。
春に向けてキッチンや室内をグリーンで彩りましょう。
ココット型で育てる
スプラウトの種は園芸専門店などで購入できます。“スプラウト用”と表記されたものを選びましょう。
容器は内径4cm、深さ4cm以上のサイズのものにしましょう。とくにラディッシュ(カイワレ大根)のスプラウトは背が高くなるので深めのものがよいでしょう。
育てているときに容器の中で雑菌が繁殖してしまわないように、種をまく前に容器を煮沸消毒するか、よく洗ってから熱湯をかけます。
容器の底に脱脂綿かカット綿を敷きます。目が詰まっていると、根が出にくくなってしまうので、やわらかい綿の部分のみ使用しましょう。コットンがヒタヒタになるまで水を入れます。
コットンに種をつかず離れず、密集気味にまきます。重ならないように気をつけましょう。写真はブロッコリーの種です。
容器にふたをするように、アルミホイルをかぶせて遮光し、種を土の中にいる状態にします。
種が呼吸できるようにアルミホイルにフォークで通気用の穴をあけて暗所に置きます。ガラスの容器を使う場合は上だけでなく横もきちんと遮光しましょう。
容器ごと空き箱やクーラーボックスなどに入れるのもよいでしょう。その際は通気を確保してください。発芽するまでは水分がなくなったら霧吹きで種を湿らせます。
種をまいてから3日目くらいに芽が出ます。
発芽したらコットンがヒタヒタになるまで水を入れて、1日1回水替えをして遮光します。根が出たばかりの時期はそっと容器を傾けて優しい水流で水を替えましょう。水は種が少し浸るくらいが目安です。
草丈が4cmくらいになったら遮光をやめて、室内の日の当たる明るいところに移動させます。ベランダなど室外はNGです。
ブロッコリーは草丈が6cmくらいになったら食べ頃です。
種をまいてから8日目から10日目くらいです。食べ頃は品種や季節、気温などによって異なるので、種の説明書を確認してください。あまり大きく育てると、育てている間に栄養がなくなってしまうので、早めに食べましょう。
スプラウト専用容器で育てる
スプラウト専門容器はホームセンターやインターネットで購入できます。今回使用したのは、上の網皿に種をまいて下の水受け容器で水替えをするタイプです。
網皿にギリギリ届くくらいまで水受け容器に水を入れ、網皿に種をまきます。こちらもブロッコリーの種です。アルミホイルをかぶせて遮光します。
草丈が4cmくらいになったら遮光をやめて、室内の日のあたる明るいところに移動させます
日の当たるところへ移動させた次の日に一気に葉が緑色になり、丈も根もぐんと伸びた様子です。
ブロッコリーが日の光を浴びて喜んでいるようです。容器が透明だと土栽培だと見られない根の様子が観察できます。アクアリウムのようで癒されますよ。
ブロッコリーは草丈が6cmくらいになったら食べ頃です。
ホームパーティーのときは、テーブルにスプラウトを容器ごと置いて、手巻き寿司やオープンサンドはいかがですか? 各自でスプラウトをカットして挟めば、ちょっとした収穫もできてみんなで楽しめますよ。
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赤キャベツは茎が赤色で、サラダに入れると華やかになります。シソやルッコラはスプラウトも葉と同じ味がします。
ゴマはちょっと苦みがありますが、発芽したゴマの若葉は栄養価が高いですよ。
ヒマワリは茎がニョキニョキ伸びて面白く、歯ごたえもよいのでさっと炒めてもおいしいです(写真下の緑の器)。
ぜひいろんな種類のスプラウトを育ててみてください。
撮影/田中淳
編集協力/DECO
たなか やすこさん
ガーデニングクリエイター&イラストレーター。コンテナをメインとした家庭菜園歴25年の経験を活かし、市民講座やワークショップを開催している。 著書に『とれたてがおいしい! おうち菜園』(扶桑社)、『LEE CREATIVE LIFE とれたての幸せ。はじめてのベランダ菜園』(集英社)、『シンプル&エコに育てるおいしいベランダ菜園』(家の光協会)、『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など多数。