根付きの小松菜を再生栽培しよう
小松菜を再生栽培して、お得に頂く方法をご紹介します。
根付きの小松菜を再生栽培しよう
食べた後に残った根を育てる再生栽培。小松菜なら他の野菜に比べて育てやすいのでおすすめです。
また小松菜は冬に値段が高くなりがちなので、再生できればちょっとだけお得感も味わえます。11月中に栽培をスタートすると、12月末には収穫できるよう育ちます。年の初めに初収穫を食べられれば、きっと縁起のよい一年になりますよ。
根が白くて乾燥していない小松菜を選ぶ
冬になると根つきの小松菜が八百屋さんやスーパーなどで出回るようになります。選び方のポイントは「根が白い」、「乾燥していない」もの。
根が茶色いと鮮度が落ちている可能性があります。できるだけ根の長さが長いものがよいでしょう。
根と新芽を残して苗づくり
1本につき茎を3~4本残して、根から3cmほど上のところでキッチンバサミで切ります。このとき、茎の中から出ている新芽を残すのがポイント!
どの新芽も残して再生したくなりますが、その中でも草丈6cm以下の小さな新芽だけを残します。それ以上の草丈の新芽は残していてもしおれてしまいますし、根に渡るべき水分が葉にとられてしまい、根の成長を妨げてしまいます。上手に育てるためには、潔く切ることが重要です。
もし購入してすぐに栽培できない場合は、根と新芽を残した苗のまま水を入れたコップに入れておきます。水は根の部分が半分浸る程度に。毎日水を替えて早めに植えつけましょう。
1本ずつの間隔を6cm以上あけて植える
水抜き穴のあいた鉢に鉢底石を敷いて有機培養土を入れます。鉢の7分目くらいまで入れたら、土に差し込むように小松菜を入れます。1本ずつの間隔は6cm以上あけましょう。その後、上から土を注ぐように入れます。
ジョウロで水をたっぷりかけます。鉢底から水がポタポタとしたたり落ちるくらいたっぷりかけてください。水をかけたあと、苗がぐらつかないように手でならします。
参考:「ガーデンレタスミックスを種から育てよう」
植えつけ直後は直射日光があたらない半日蔭に置きます。小松菜は寒さに強い野菜なので、室内よりもベランダや玄関先など室外で育てます。気温が低くなってくると凍えないように葉に糖分を蓄えるので、甘みが増しておいしくなります。
3~4日経ったら日あたりのよい場所へ
3~4日くらい経つと新しい茎がしゃきっと立ち上がってくるので、日あたりのよい場所へ移動します。土の中で根が出はじめて徐々に葉が育ってきます。
1週間くらい経つと、新芽のまわりで残していた茎が黄色くなって倒れます。そのままにしておくと病害虫の原因にもなるので、切って取り除きましょう。
新しい茎が立ち上がった後は、土を触ってみて乾いていたらジョウロで水をあげましょう。2、3日に1回くらいでOKです。水をあげる回数が多すぎると根腐れをおこしてしまいます。
↑は植えつけてから約3週間後の様子です。このようにジュースのパックも鉢として利用できます。内側の素材がアルミのものが長持ちするのでおすすめです。
底に目打ちで水抜き穴を3か所くらい空けて、鉢底石を高さ2cmくらい入れて土を入れます。手のひらサイズでかわいいので、年末年始に会う友人や親戚への手土産にしてみてはいかがでしょうか?収穫の楽しみもプレゼントできますよ。
写真は約1か月後の様子で、ちょうど食べ頃です。小松菜は葉の形がかわいく、太陽の光越しに瑞々しい茎や葉脈を眺めるだけでリフレッシュします。
収穫するときは根ごと収穫するのではなく、外側の育った葉の付け根からキッチンバサミで切ります。大きくなるまで育てなくても構いません。草丈12cmくらいのベビーリーフが柔らかくておいしいです。お正月のお雑煮にも入れられますよ。
3~4日くらい経つと、また新芽が伸びてきます。2クールほど収穫できるので2月くらいまで収穫が続きます。
有機培養土なら土を入れてから2か月くらいは肥料が不要です。2か月くらい経ったら肥料の効果が薄れてしまうため、適量に薄めた液体肥料を週に一度ほど与えてください。
暖かくなるとアブラ虫が出てくることも。もし葉の裏や新芽にアブラ虫を見つけたら、早めに水で流しましょう。
ワンポイントアドバイス
小松菜は収穫後も楽しませてくれます。そのまま育てていると、2月末くらいに菜の花が咲きます。花びらは食べられるし、黄色くてかわいいので、お雛祭りのちらし寿司にパラパラと散らすときれいですよ。
撮影/田中淳
編集協力/DECO
たなか やすこさん
ガーデニングクリエイター&イラストレーター。コンテナをメインとした家庭菜園歴25年の経験を活かし、市民講座やワークショップを開催している。 著書に『とれたてがおいしい! おうち菜園』(扶桑社)、『LEE CREATIVE LIFE とれたての幸せ。はじめてのベランダ菜園』(集英社)、『シンプaル&エコに育てるおいしいベランダ菜園』(家の光協会)、『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など多数。